「えっ、何言ってんの?」から、「本当にそうなの?」に変わる
あなたは自分の子供や職場の後輩・部下にもっと成長してほしいときは、どうしていますか。
昔のように叱って伸ばそうとする人は少ないと思いますので、褒めて伸ばそうとするするでしょう。
しかし、急に褒めたところで相手はまず「えっ、何言ってんの?」と思ってしまい、素直には喜ばないでしょう。
普段から褒めている人は信じてもらえるかもしれませんが、なかなかうまくいかないものです。
「ん?ちょっと待てよ!」今、「普段から褒めている人であれば信じてもらえる」と普通に感じたこということは、この「普段から褒める」が大事なんでは?!と気づいたあなた。
正解です。
人は一度褒めただけでは信じてもらえません。
でも、何回か繰り返し、褒めることで「あれ、本当にそうなのか?」と信じ始める心理が働きます。
では、何回繰り返したら効果が出始めるのか?
大体3回です。
同じフレーズを3回以上繰り返す
繰り返す時は、同じフレーズを3回以上行ってください。
例えば、姉妹で姉に妹の面倒を見てくれるようにしたい場合は、姉に対して、「お姉ちゃんは、本当に妹の面倒見がいいね。お母さん嬉しい。」と伝え、妹には「お姉ちゃんの言うことを本当に良く聞いてくれるから、お母さん嬉しい。」と1日おきに3回伝えてみてください。
そうすると、姉は「私は妹の面倒見が良い、お姉ちゃんなのよ!」と思い込み、妹は「私はお姉ちゃんの言うことをよく聞く妹よ!」と思い込んでくれるようになります。
気づくと姉妹が仲良く、ケンカもしないで宿題したり、遊んだりし始めてくれるようになります。
部下に対しても、「あなたには将来、役職をつけて活躍してもらいたい。」と3回伝えてあげてください。
気づいたら、その部下は積極的に仕事をし始めてくれるようになってくれるでしょう。
しかし、以前のブログで日本の会社員で「管理職になりたい」と答えた日本人の割合は19.8%であったことを話しましたので(ブログ:昇進後の壁は自分で作っているってホント?)、この内容でやる気が出てくれる部下は20%位と考えておいてください。
繰り返すのは3回である必要はありません。
3回以上繰り返してください。
あまり、しつこいと嫌がれますが、定期的に間隔をおいて繰り返すと相手も信じる度合いが強くなっていきます。
3回繰り返すと6倍の効果が発動
「3回以上繰り返すと本当に信じてくれるの?」の疑問に対して、答えてくれるように以下の実験が行われました。
アメリカの県都州立大学で、マリア・ザラゴザ博士が行った実験です。
255名の学生にまずは5分間の強盗現場の映像を見せます。
次に、映像に移っていない要素を暗示話法によって植え付けます。
この時、255名の学生を2つのグループに分け、1つ目のグループには以下の1回の暗示を行いました。
- 「あの手袋をはめた犯人についてですが・・・」
2つ目のグループには以下の3回の暗示を行いました。
- 「あの手袋をはめた犯人についてですが・・・」
- 「犯人は手袋をしていましたが・・・」
- 「指紋を残さないように犯人は手袋をしており・・・」
実は強盗現場の映像では、犯人は手袋をしていなかったのですが、被験者の記憶がどれくらい歪んでいるかを調査しました。
その結果、3回の暗示をかけられて学生は、1回の暗示をかけられた学生の6倍以上の人が歪んだ記憶で覚えていました。
このように、1回褒めるより、3回褒めた方が6倍信じてもらえる効果があるのです。
これからは、3回以上同じフレーズで褒めるようにしましょう。
気づいたら、相手が積極的に行動してくれるようになるでしょう。