なぜ、選択肢がいるのか
漠然とほしいものがある時、「これを買おうかな」と悩むでしょう。
例えば、自転車。
「無くても生活できるけど、自転車に乗れば自分で歩くより早いし、楽に遠くまで行ける。おまけに、運動にもなるし、一石二鳥になるな。」と考えながら、買おうか悩ます。
そんな時、「まずはどんなものがあるか見てみよう。」とネットで自転車のサイトを見たり、直接サイクルショップにいって実物を見に行ったりしていると思います。
そして、いざ見ているうちに気づいたら、「あれ、ついついほしくなって買っちゃった!」てなることありませんか?
実はそれ、選択肢の魔法にかかっているからです。
選択肢があるかないかで大きな違い!
では、なぜ選択肢があると買ってしまうのか。
それは、意識がすり替えられるからです。
自転車を見にサイクルショップに行ったとき、最初は自転車を買うか買わないかで迷っているはずです。
そこに店員さんが来て、「どのような自転車をお望みですか。」と聞かれると思います。
そこで、あなたは「今、自転車を買おうかどうしようか悩んでまして・・・。」と答えると思います。
その答えを聞いて、店員さんは「どのような時に自転車に乗りたいのですか。」と聞いてくると思います。
また、あなたは「買いもの行くときやちょっと遠いところまで行くのに運動をかねて使いたいと思ってまして・・・。」なんて、答えるでしょう。
そうすると、店員さんは「それなら、運動も兼ねるてクロスバイクかロードバイクがいいでしょう。リュックをしょえば、買い物もできます。」といくつか選択肢を出してくると思います。
興味のあるあなたは、「クロスバイクとロードバイクの違いは何?」と質問し、店員さんが「クロスバイクは・・・・、ロードバイクは・・・・・。」とそれぞれのメリット、デメリットを説明し、さらにはクロスバイクのラインナップやロードバイクのラインナップを紹介してくれると思います。
そんな話をしていくうちに、あなたな自分の気に入った自転車を見つけ「あれ?買っちゃった!」なんてことがあるのではないでしょうか。
これは、最初は、買うか買わないかの選択をしていたのですが、気づいたら「買うならどの自転車にしようか」の選択肢に変わっていて、買う前提で選んでいる意識にすり替えられているからです。
そして、相手からいくつかの選択肢を提案されているだけなのですが、あたかも自分が見つけて自分で全てを決めたような錯覚に陥って、満足して買ってしまうのです。
これには、店員さんの交渉力によっても変わってきますが・・・。
それに、こんなエピソードがあります。
日本で最初にホームベーカリーが発売された時、発売した会社では市場調査を入念にした結果、「これは絶対売れる!」と確信をもって発売しました。
しかし、発売した年は全く売れませんでした。
日本発であったにも関わらず。
そこで、その会社はホームベーカリーの販売をあきらめたかと思われましたが、めげずに後継機を発売しました。
その結果、なんと初代のホームベーカリーは劇的に売れ始めました。
これは、後継機が高い値段で発売された結果、初代の製品が型落ちとして値段が下がり2種類の高性能高価格と一般性能低価格のラインナップが生まれためです。
これにより、さきほど説明した、「買おうか買わないか」から、「どちらを買おうか」の選択肢がうまれ、買いやすくなったのです。
また、2種類以上になることで、店舗でも販売コーナーができるようになり、「ホームベーカリー」という一つのジャンルが生まれ、一般的に認知さるようなりました。
選択肢ができると選ばれやすくなるのです。
選択肢があればよいのか
選択肢があれば、買ってくれる可能性が高くなることは分かりました。
では、「選択肢が多ければ多いほど良い。」と考えてしまうとこれまた、落とし穴があります。
選択肢が多すぎると逆に買ってくれない現象があります。
こんな実験がありました。
2つのジャムの販売コーナーを設けて、どちらが売れるか調査した実験です。
- 24種類のジャムを並べたコーナー
- 6種類のジャムを並べたコーナー
この、6種類は、24種類のジャムの中から選んでいます。
その結果はもうお分かりですよね。
6種類のジャムを並べたコーナーの方が売り上げがありました。
24種類もあると、「う~ん、どれにしようかな?」選びきれなくなり、買わなくなるのです。
そのため、5~6種類にした方が良いでしょう。
これで、あなたも商売上手です。
ぜひ、試してください。