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推しの力でビジネスに活かす:「保有効果」の秘密とは?

2024年2月12日

推しへの愛がとまらない

あなたに「推し」はいますか?

私にはいます。

「葬送のフリーレン」に出てくる、「ヒンメル」です。

物語の回想シーンに良く出てきて、こころが温まる人とのつながりを大切にするメッセージをするからです。

そして、その口調はとても穏やかでこころが落ち着くます。
(ナルシストなのがたまに傷ですが、そこがまた良かったりします。)

このように何かを「推し」として意識すると、その思いはなかなか消えません。

当然、その「推し」が自分にとって、とても魅力的な存在であるからですが、もう一つ理由があります。

それは、「自分が選んだものはいいものなんだ」と勝手に思い込んでいるからなんです。

思い込みが期待を上げる

よくこんな事があると思います。

Aさん:「あのダンスユニットの〇〇さん、超カッコいいよね!」
Bさん:「そうだね。」(私そんなにカッコいいと思わないけど・・・。)
Aさん:「ダンズも一番うまいし、性格も可愛いし、もう悪いところなんて一つもない!」
Bさん:「そうだよね。」(エッ!ダンスそんなにすごかったけ。)

実際に、Aさんが推している〇〇さんのダンスの評価は世間ではそこまで高くなかったりしますが、それでもAさんには一番に見えてしまう。

まさに、これが「推し」への思い込み、言い換えると「自己暗示」です。

こんな実験結果がありました。

宝くじを買う時、「自分で買った人」の方が「別の人に買ってもらっら人」より、宝くじが当たると思い込んでいる比率が1.5倍も高いんです。

宝くじの当選確率は「自分で買っても」、「他人が買っても」全く同じですが。

人は一度「いい」と感じると、例え世の中の評価や客観的な分析結果が低くても、自分の中では「いいに決まっている」と思い込むんです。

これを心理学では「認知バイアス」と言います。

簡単に説明すると、世の中の評価を無視して、自分だけの偏った(バイアス)評価を優先(認知)することです。

これは、誰でも持っている心理なので気にする必要はありません。

別に誰を推しにしたところで、周りには迷惑はかからないのですからね。

あるとしたら、推しへの愛が強すぎて、話をきいているとウンザリしてしまうことくらいです。

一度「推す」となかなか熱が冷めない

よく推しから、こんなこと言われませんか?

「この思いをファンのあなたに届けます!」

こんな事いわれたら、嬉しくてしかたありません。

そして、ここで更に「推し」への愛が止まらなくなります。

「この推しは自分だけのもの」と錯覚してしまうからです。

「自分で選んで手に入れたもの」、「自分で買って手に入れたもの」は、「他のものより価値があるものなんだ」と思い込んでいきます。

これを「保有効果」と言います。

この効果を証明するために、行動経済学者のリチャード・セイラー氏と心理学者のダニエル・カーネマン氏が以下のことをしました。

学生を2つグループに分けて、マグカップに値段をつけてもらいます。

実験

  • <Aグループ>
    6ドルのマグカップをプレゼントした後に、「このマグカップを売るとしたらいくら?」と質問しました。
  • <Bグループ>
    6ドルのマグカップを見せただけで、「このマグカップを売るとしたらいくら?」と質問しました。

するとそれぞれグループで、つけられた値段が以下のようになりました。

結果

  • <Aグループ>
    平均7.12ドル
  • <Bグループ>
    平均2.87ドル

この結果から、一度マグカップを手に入れたAグループの方が2倍以上高い値段をつけたのです。

なぜこのような事が起こったのかは、先ほど説明した「保有効果」が働いたからです。

つまり、一度自分が手に入れたものは「価値がある」と思い込んでいます。

さらに、この売るという行為に対して、もう一つ別の心理が働いています。

それは、一度手に入れたものを手放すことに損失を感じることです。

これを「プロスペクト理論」と言います。

そのため、6ドルのマグカップをプレゼントされたAグループの学生は、実売価格より高い7.12ドルの値段をつけたのです。

この心理が「推し」を見つけたら、なかなか止めない理由です。

自分が選んだ「推し」を失うことに抵抗を感じてしまうんです

いかがですか。

ここまでくれば、なぜ「推し」に対して、愛が止まらなくなるのか分かってきたと思います。

それでは、応用です。

子供にモノを大事に使ってもらいたい時や長く使ってもらいたい時は、子供自身に選ばせてあげてください。

例え親であるあなが、「え~、これを選ぶの!?」と思ったとしてもです。

子供だって、自分で選んだ「推し」のモノには「これはいいものだ!失いたくない!」と思い込みが生まれます。

きっと、大事に長く使ってくれるでしょう。

他にも、無料体験や40日間返品保証、アプリの3ヶ月間無料使用なども「保有効果」を使った、テクニックなんです。

これはビジネスをする上で非常に重要な効果ですので、ぜひ覚えておきましょう!

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