相手が理解できる言葉
「もう、なんで伝わらないの!」と、こころの中で叫んでしまうようなことがありませんか?
私は何度もあります。
仕事で明らかにやる気のない部下に「そんなことしても、自分にとって損しかないよ。」と伝えても、分かってもらえない。
全く勉強しない子供にたいして、「勉強は大事だよ。」と伝えても分かってもらえない。
明らかに人を利用することしか考えていない人に「そんなことしてたら、周りから人がいなくなるよ。」と伝えるとかえって逆上される。
ましてや、普段何気ない話をしている時でも、「あれ?私の言ってること伝わっている?」と疑問を感じたりする。
そんな悩みがある人と一緒に、今日はどうすれば伝わるのかを考えていきたいと思います。
理解できない言葉は無視される
まず、一番最初に気を付けるべきことは、「相手が理解できる言葉・単語を使っているか」です。
例えば、「この不浄なる世の中を生き抜くためには、他人より優れた能力を持つ必要がある。すなわち、学を繰り替えるすことにより自分を昇華することにある。」なんて、子供に伝えても理解されるはずがありません。(こんなことは言うはずないと思いますが。ものの例えです。)
漢字で書くと少しイメージがわくかもしれませんが、聞くだけでは「フジョウ?」、「ショウカ?」となんのことか意味が全く分からない言葉はスルーされてしまいます。
それでは、伝えることができるわけがありません。
自分を賢そうに見せて相手に信じてもらいたくて難しい言葉を使っても、相手は「あっ、なんか難しいことを言っているので、きっと間違えてないんだろう。」と思うだけで、全く理解してくれないでしょう。
他にも、実は私が理解できていなかったのですが、「人には認知バイアスがあり、そのせいで感情のすれ違いが生じる。」なんて言われて、「ん?バイアスってなに?」と何となく聞いたことがあるのですがよく意味が分からない言葉あるとしっくりとしていませんでした。
この「バイアス」は、「偏り」を意味しています。つまり、「人の考え方にはそれぞれ偏りがある。」という意味です。
こう話せば、「あっ、そうなのか!」と理解できようになりました。
ましてや子供に教えるときはさらに難しいのですが、この「偏り」を分かりやすく表現するためには、「○○ちゃんと□□ちゃんでは同じものを見ていても、違うように考えているんだよ」と言うように伝えてやっと少しだけ分かってもらえるようになります。
それでも、分からないことがあれば、イメージを見せることでより、伝えることができます。
下の絵を子供に見せてこの絵をみて、「○○ちゃんはこの絵を見てどう思った。そう、悲しような顔と持ったの。でも、□□ちゃんはただ困っている顔と思っていたのよ。」と伝えると、「えっ!そうなんだ!違うように見えるんだ!」とさらに伝わるようになります。
このように、難しい言葉は使わず、相手が理解できるような易しい言葉を使い、より丁寧に伝えることで相手も理解をしてくれます。
自分がまずは理解する
日本の作家で井上ひさし先生はこのように言っています。
「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く」
相手に伝えるときに常に覚えておきたい言葉です。
そして、大事なことは自分が話す内容について、しっかりと理解していることです。
使う言葉についても、自分が理解している必要があります。
一語一語発する言葉に気を使い、どのような言葉を使えば相手が理解するかを相手の立場になって考えながら話さないと伝わりません。
日本でも有名になってきました、心理学者のアドラーの一説です。
アドラーが講演をしていた時に、聞きに来ていたひとから、「あなたの話はコモンセンス(当たり前の話)ばかりだ!」と言われました。
その時アドラーは「コモンセンスのどこがいけないのか?」と言ったそうです。
さらに、「私はいつも私の心理学を単純にしようとしてきました」と言いました。
難しい話を難しく話すのはただの自己満足です。
難しい話こそ、易しく話すことができる人ほど知性的な人とも言えます。
そんな人は自信に満ち溢れ、相手への親切をわすれない人です。
一度伝えても、相手に伝わらないことだってあります。
そんな時は話す言葉をかえ時には絵や図形・グラフを使い、見てわかるように工夫して何度も伝え直す努力が必要です。
最後に肝心なのは、「あきらめずに伝える努力をし続ける」ことです。
このあなたの行いがきっと相手にも伝わり、理解してくれるようになります。
伝えたいことがあれば、「易しい言葉を使い、相手の立場になって理解できるような話し方」を心がけてみてください。