頑張ることは良いけれど
頑張ることは良いことです。
でも、頑張り過ぎると良くありません。
日本の言葉で日々精進なんて言葉がありますが、この言葉のせいで無理に頑張ってしまう人がいます。
仕事がうまく進まない、試験の結果が良くなかった。
毎日、コツコツ頑張ったのに思うように進ままない。
こんな時、ありますよね。
あなたはこの時、どう思いますか。
「自分の努力が足りなかった」、「もっと頑張ればよかった」なんて後悔していませんか。
このように、頑張る人ほど悪い結果に対して自分の努力不足を悔やみます。
悔やんでもしかないのですが、それが止められません。
そして、もう二度と同じ後悔はしたくないとさらに頑張ろうとします。
もともと頑張る人は自分ができる精一杯のことをしているので、そこからさらに頑張ろうとすると疲労が蓄積し、精神や体に異常が現れ出します。
そして、最後は「うつ病」になってしまうこともあります。
頑張る人の傾向
カナダのコンコーディア大学のC・ロッシュ博士は、15~19歳の学生を対象にリサーチしました。
その結果、抑うつ傾向が強い人ほど「目標達成まで努力を惜しまない性格」、「結果がでるまで頑張り続ける性格」であることが判明しました。
努力家や頑張り屋は抑うつ傾向が強いことになります。
現在、うつ病患者は年々増えており、厚生労働省調べでは平成8年には43.3万人だったうつ病等の気分障害の総患者数は、平成20年には104.1万人と12年間で2.4倍に増加しました。
なぜこれ程まで増えたのか。
これは、ネット社会になったことで、一度に取り扱う事の出来る情報量が飛躍的に上がり、脳への負担が増えたことが一つの要因と考えられます。
後は、スマホやPCを夜中まで使うことで、睡眠不足に陥りやすいことやTVを見ながらスマホを見るなどマルチタスクによる、脳の疲労なども影響していると考えられます。
それに、ひと昔まであれば、サラリーマンは会社で仕事して、自宅では仕事をしていませんが、現代ではノートPCさえ持ち帰れば、自宅でも仕事ができてしまいます。
そんなことになっては、頑張っている人は自宅でも仕事をし始め、仕事とプライベートの境界がなくなり、ずっとストレスを感じるようになります。
そして、いつの間にかこころも体もボロボロになっています。
頑張っている人にはエールを送るな
職場でも頑張っている人を見るとつい、「頑張ってね」とか「もっと頑張れ」と言ってしまいがちですが、そんな人にエールを送らないでください。
「いつも頑張ってるけど、少し休まないの」なんて声をかけてあげてください。
これ以上、頑張ってしまってはこころも体も持ちません。
ましてや、頑張っている人がミスをしたり、思いのほか進捗が遅いとき「もっと頑張れ」と言いたくなりますが、おそらく頑張っている人は限界を超えています。
そんな時は、「頑張り過ぎていないか」や「少し休んでほしい」と言ってあげてください。
頑張りすぎる人は自分でも分かっています。
分かっているけど、止められないのです。
なぜ止められないというと、「100%の成果を求め」、「失敗をおそれている」、「頑張らない自分が許せない」からです。
どうしても頑張ることを止められないというときは、こう思ってください。
「60%できれば合格点、足りないところは後で追加」、「どんなに頑張っても、失敗することはある」、「そんな自分でいいんだ」
こうすることで、自分の頑張りにストップをかけることができます。
私も実際、上司から急に「資料の提出を今日中に頼む」と言われた時、資料の出来を「60%で提出しよう」と思い、本当にその程度の出来で提出しました。
次の日、上司も急にお願いした資料なので何も文句は言われませんでした。
少し誤字脱字の修正依頼が来ただけでした。
自分のとって60%の出来ですが、相手にとって何点なのかはわからないのです。
ひょっとしたら、相手のとっては80%くらいの出来に見られていたかもしれません。
仮に自分では100%と思って提出した資料が、相手にとっては60%に見えることだってあります。
だから60%の出来で提出し、相手からの要望を追加して80%くらいまで上げられればOKと思えば良いのです。
そして、結果にこだわり過ぎないでください。
疲れた状態では良いパフォーマンスは生まれません。
自分に優しくなってあげてください。