行動経済学で集客力アップのヒントをつかむ
今回は、早速「行動経済学」の話です。
人は毎日、決断の連続です。
「朝ごはんのメニュー」、「今日着る服と靴」、「家をでる時間」、「今日一日の仕事のスケジュール決め」、「昼ごはんのメニュー」、「帰宅時間」、「新しいPCの購入」、「夜ご飯のメニュー」、などなどいっぱい決断しています。
この一つ一つに対して、あなたは合理的にデータを収集・分析して決断していますか?
答えは「NO!」のはずです。
なぜなら、そんな事してたら一日では時間が足りなくなってしまうからです。
では、逆に全てなんとなくで決めていますか?
その答えも「NO!」のはずです。
なぜなら、「損をしたくない」、「これだけはしっかりと決めたい」と考えるからです。
何かを決断する時に、このように2つの決断方法があることを行動経済学では「二重過程理論」と言います。
そしてこの分野をもう少し掘り下げていくと集客力がアップするヒントがあります。
なんとなく決めることが「行動経済学」の注目ポイント
先ほど話したように、「二重過程理論」は以下の2つの決断方法があります。
- なんとなく直感で決めるこれを「ヒューリスティック」と言います。
- 合理的にデータを収集・分析して決めこれを「システマティック」と言います。
この内、「ヒューリスティック」は「過去の体験・成果」や「過去に得た結果」といった、過去の経験をもとに、瞬時に物事を決断する方法です。
当然、過去の経験から決断するため、自分が持つ「バイアス(偏った考え)」が影響してしまいます。
その結果、合理的ではない決断をしてしまいます。
この「合理的ではない決断」について、「行動経済学」はフォーカスしています。
例えば、「朝ごはんはいつもと同じパンとコーヒー」と決断した時、ホントは毎日を同じものを食べると栄養が偏るからよくないはずなのに、同じメニューを食べてしまう。
これは、「同じものを食べても体に不調が出ていない経験」があるために、合理的な考えが働かずに決断しています。
他にも、スーパーで買い物をしている時に、「今日の特売」と書かれているとその商品を手に取り、ついついて買ってしまう。
そこで、合理的に考える場合、「この商品は今日必要なのか?」、「昨日の値段はいくらだったのか?」と考えるはずです。
しかし、過去の経験から「特売は安い、お得!」と考え(バイアス)てしまい、買ってしまう。
これがまさに、「ヒューリスティック」なのです!
こんなヒューリスティックで集客力がアップする
この「ヒューリスティック」はとても幅広い考えを含んでいます。
そこからさらに細かく分類していくことで、様々な人の行動を理解していこうとしています。
今回はその数ある中から一つ紹介します。
TVのCMやネットの広告でよく見るお店や商品を実際に見かけると「あっ、これ見たことある」と思いお店に入ったり、商品を手にとって買ってしまったりしていませんか?
その時、お店の評判や商品の値段・品質をあまり気にしないことありませんか?
これぞ、ヒューリスティックです!
その中でも、自分の記憶に強く残っているモノを勝手に選んでしまう効果で「利用可能性ヒューリスティック」と呼ばれているものあります。
例えば、コンビニは24時間空いているのは便利ですが、商品の値段が高いです。
昼間に買い物をする場合、スーパーで買った方がよっぽど安くて合理的です。
しかし、コンビニを選んでしまう。
よく思い出してみてください、TVのCMやYoutubeの広告などで何回もコンビのCMをみませんか。
何回も見た人は強く記憶に残るため、実際に目の前で見た時にあまり考えずにスッとコンビニに立ち寄ってしまう。
これは、WEBマーケティングやSNSでも同じです。
何度も同じ広告をみるとコンビニに関わらず、「利用可能性ヒューリスティック」の効果で「このサイトをクリックしてみようかな」と思ってしまいます。
これにより、集客がアップします。
お金を払ってでも出す広告には、このような効果が見込まれます。
更に、「利用可能性ヒューリスティック」の効果を高める方法があります。
それが今流行の「ブランディング」です。
ブランディングとは一言でまとめると「他と明確に差別化できる個性」です。
これを使って、記憶に乗りやすい視覚や聴覚に刺激させるのです。
例えば、独特な「デザインロゴ」、覚えやすいキャッチコピーや「サウンドロゴ」などがそれにあたります。
サウンドロゴとは、毎回流れる定番の音楽のことです。
最近はあまり聞くことがなくなったのですが、プロレスラーの蝶野選手の入場曲を聞くとあのサングラスを掛けたプロレスラーをすぐに思い出しませんか?
これも、ブランディングです。
これまたコンビニですが、このフレーズを聞くと青色の看板がすぐにイメージできませんか?
「ローソンでハピろー!!」
これは、ローソン独自のデザインロゴとおぼえやすいキャッチコピーによって、人の視覚と聴覚に強く印象づけるブランディングです。
個性と考えるともっと深い部分で違いを作ろうとします。
実はこんな感じでイメージや言葉・音楽だけでも、個性をだせばブランディングが成立します。
「行動経済学」って、おもしろいですね!