発想力はリラックスしている時が一番上がります!
いきなりですが、これは事実です。
仕事をしていると、面白い発想や自分では思いつかないような発想を、次々と出してくる人がいます。
そんな人を見ると、あなたはうらやましく思うことがあるでしょう。
そして、こう思います。
「私も色んな発想をしたい!」
「誰もが思いつかないような発想をして、みんなを驚かせたい!」
そこで、一生懸命に考えるでしょう。
しかし、そんなに都合よく、発想は思いつきません。
一方、こんなエピソードがあります。
- トイレの中で思いつきました!
- 湯船に使っている時に思いつきました!
- 起きた時に突然ひらめいた!
「そんなの偶然だよ」
そう思うでしょう。
偶然なのは確かにその通りです。
しかし、その偶然を引き寄せるプロセスが、このエピソードには入っています。
それが、「リラックス」をしている時です。
今から、発想力とリラックスの意外な関係について、科学的な根拠を含めて説明していきます。
目次
発想力とリラックス
新しい発想を思いつこうと考えている時、あなたは何をしていますか?
発想をしようと情報を集め、その情報を見つめて、一生懸命になって考えていませんか?
悲しいことに、これは新しい発想が思いつきにくい状態いです。
集中すればするほど、ますます思いつかなくなります。
なぜなら、集中すると一つのことしか見えないからです。
新しい発想とは、一つのことに集中しても思いつきません。
集中している情報とは違う場所にこそ、新しい発想があります。
そこで、登場するのがリラックスです。
なぜ、リラックスをすると新しい発想が出やすいのか。
それは、脳の働きと深く関係しています。
その鍵を握っているのが、DMN(デフォルトモードネットワーク)と呼ばれる脳の活動です。
DMN(デフォルトモードネットワーク)とは
このDMN(デフォルトモードネットワーク)とは、何を意味していのでしょうか。
解説していきます。
デフォルトモードネットワーク(英語版)(Default mode network; DN)
引用元:脳の大規模ネットワーク - Wikipedia 2023年1月17日 (火) 12:46 UTC
デフォルトモードは人が覚醒し休んでいるときに活発になる。人が空想、未来の想像、記憶の取得、心の理論など、内面的志向のタスクに集中しているときに活発になる。外部の視覚信号に焦点を当てる脳システムとは、相反する関係にある。これは最も広く研究されているネットワークである。
もう少し分かりやすく説明します。
DMN(デフォルトモードネットワーク)は
リラックスすると、脳の複数領域の活動が活発になる現象です。
リラックスすると、脳はあまり活動していないと思っていませんか?
実は真逆なんです。
リラックスしている方が、脳は活発に活動しています!
「集中しているときよりも、リラックスとしている時の方が2倍エネルギーを使っている」と言われています。
信じられないかもしれませんが、これは事実です。
集中している時は脳の活動領域が限定されて、そこにエネルギーが集まります。
例えば、情報を眺めている時は、脳の「視覚」、「記憶」、「思考」の部分に意識が集中するため、脳もその領域にエネルギーを集中します。
- 視覚
後頭葉: 主に視覚情報の処理を担当します。 - 記憶
海馬: 記憶の形成と想起に重要な役割を果たします。
前頭葉: 作業記憶(短期的な情報の保持と操作)に関わります。 - 思考
前頭葉: 高次認知機能や意思決定、問題解決、計画立案、抽象的思考などを担当します。
側頭葉: 言語理解や意味記憶(知識や概念の記憶)に関与しています。
頭頂葉: 感覚情報の統合や空間認識、注意の制御に関わります。
リラックスすると、無意識に脳全体が活動を始めるので、エネルギーが脳全体に広がります。
この状態をDMN(デフォルトモードネットワーク)と呼んでいます。
リラックスとしている時は、脳全体が活動することから、様々な情報がつながり出します。
その結果、考えているときには思いつかなかった、新しい発想が思いつきます。
もう少し、視覚的に分かりやすく説明します。
クリックすると出てくる絵に描いてある、真ん中の赤い点をみてください。
絵をみた後は、もう一度クリックして絵を閉じてください。
次に、クリックすると出てくる絵に描いてある、右上の青い点をみてください。
絵をみた後は、もう一度クリックして絵を閉じてください。
最後に、クリックすると出てくる絵の全体をみてください。
この絵の左下にグレーの点が、あることに気づいたはずです。
このグレーの点は、2枚目以降からあります。
1点に集中していると、他の点に気づきにくくなります。
発想も同じです。
1点に集中している時は、周りの情報が入ってきません。
あまり関係ないと思っている情報は、さらに入ってきません。
リラックスとしている時は、DMN(デフォルトモードネットワーク)の状態になっているため、脳内のあらゆる情報や思考、感覚がつながり出します。
色んな角度や広範囲の情報が頭のなかでつながります。
その結果、関係ないと思っていた情報までもがつながりだして、新しい発想が思いつきます。
これこが、発想力とリラックスの関係になります。
発想力を上げるためには知識が必要
リラックスをすると発想力が上がることが分かっていただけたと思います。
リラックスをすれば発想力があがりますが、それだけでは不足していることにあなたは気づいていますか?
先ほど、説明したようにリラックスをすると脳内のあらゆる情報や思考、感覚がつながります。
つまり、脳の中に既にある知識からしか、発想がでてきません。
知識が少なければ、出てくる発想の数も少なくなります。
そこで、知識を増やす必要があります。
知識を増やすためには、様々な方法や習慣を取り入れることが効果的です。以下にいくつかの具体的な方法を紹介します。
それぞれの方法について、詳しく説明します。
1. 読書
- 多様なジャンルの本を読む:
専門書だけでなく、フィクションやノンフィクション、歴史や科学、哲学など幅広いジャンルの本を読むことで、異なる視点や知識を得ることができます。 - 定期的な読書習慣:
毎日少しずつでも読む時間を確保することで、知識の蓄積が進みます。
2. 実践と経験
- プロジェクトに取り組む
学んだ知識を実際に使ってみることで、理解が深まり、応用力が身につきます。 - ボランティアやインターンシップ
実社会での経験を通じて、新しい知識やスキルを習得できます。 - 旅行をする
新しい場所にいくことで、そこでしか得られない新しい知識や経験を得られます。
3. メンターやコミュニティとの交流
- メンターを見つける
自分よりも経験豊富な人から学ぶことで、新しい視点や知識を得られます。 - コミュニティに参加する
趣味や専門分野のコミュニティに参加して、情報交換やディスカッションを行うことで知識を深めることができます。
4. 最新の情報にアクセスする
- ニュースや雑誌を読む
日々のニュースや専門雑誌を読むことで、最新の情報やトレンドを把握できます。 - 学術論文を読む
学術論文やレビュー記事を読むことで、最新の研究成果や知見を得ることができます。
これらの方法を組み合わせて、継続的に実践することで、知識を増やし、深めていくことができます。
発想力を上げるリラックス方法
次は、リラックスする方法です。
リラックスする方法には、身体的な方法から精神的な方法までさまざまなものがあります。
その中でも、今回は精神的なリラックス方法を具体的に紹介します。
それぞれの方法について、詳しく説明します。
1. 自然の中で過ごす
- 散歩
自然の中をゆっくりと散歩することで、心が落ち着き、何も考えずに過ごせます。 - 公園や庭で座る
緑の多い場所に座って、周りの音や景色を感じるだけでリラックスできます。
2. リラックスできる環境を作る
- 静かな場所を選ぶ
騒がしい場所を避けて、静かな環境で過ごすことが大切です。 - 快適な椅子やソファ
体をリラックスさせるために、快適な椅子やソファでゆったりと座ります。
3. 呼吸に集中する
- 深呼吸
ゆっくりと深呼吸することで、心が落ち着き、頭の中を空っぽにしやすくなります。 - 腹式呼吸:
腹を使った呼吸法で、リラックス効果が高まります。
4. 視覚を使ったリラックス
- 遠くを眺める
窓の外や遠くの景色をぼんやりと眺めることで、心がリラックスします。 - 自然の映像を見る
海や森の映像を見て、自然の美しさに心を委ねると、頭が空っぽになります。
5. 音楽や音を活用する
- 穏やかな音楽
ゆったりとした音楽を聴くことで、リラックスしやすくなります。インストゥルメンタルや自然音などがおすすめです。 - 自然音
鳥のさえずりや波の音、風の音など、自然の音を聴いてリラックスします。
6. 瞑想
- ガイド付き瞑想
瞑想アプリや音声ガイドを使って、心を落ち着かせます。特に「ボーッとすること」を目的にした瞑想セッションもあります。 - 簡単なマインドフルネス瞑想
呼吸に意識を集中し、頭の中に浮かんでくる考えをただ観察し、流していくことでリラックスします。
7. リラックスできる活動
- ぬりえや簡単な手作業
頭を使わずに手を動かすことで、自然とリラックスできます。 - お茶やコーヒーを楽しむ
温かい飲み物をゆっくりと楽しむことで、心が落ち着きます。
8. リラックスした姿勢をとる
- 横になる: ソファやベッドに横になって、目を閉じてリラックスします。
- 足を上げる: 足を少し上げて横になると、血流が改善しリラックスしやすくなります。
9. デジタルデトックス
- スマホやパソコンから離れる
一時的にデジタル機器から離れて、情報の洪水から解放されます。 - 本を読む
読書はリラックス効果がありますが、あまりに集中しすぎず、軽く目を通す程度にします。
10. 何もしない時間を作る
- タイマーを使う
10分間など、短時間だけ何もしない時間を設けてみます。タイマーが終わるまでボーッとすることに専念します。 - 空を眺める
屋外で空を眺めながら、何も考えずに過ごします。
これらの方法を試して、自分に合ったリラックス方法を見つけてみてください。
番外編:睡眠
これまでリラックス方法について紹介しましたが、DMN(デフォルトモードネットワーク)が最も活発になるタイミングがあります。
それは「睡眠」です。
睡眠中は最高のリラックス状態とも言えます。
睡眠中は起きている時以上に情報整理が行われています。
この睡眠には以下のような段階があります。
- ノンレム睡眠-ステージ1
浅い眠りで、外部の刺激に対する感受性が高く、脳がまだ外部環境を部分的に意識しています。 - ノンレム睡眠-ステージ2
脳波の活動が少し遅くなり、脳が外部の刺激から切り離される準備をします。この段階で情報の初期処理が行われます。 - ノンレム睡眠-ステージ3(深い睡眠)
脳波がさらに遅くなり、情報の統合と記憶の定着が活発に行われます。 - レム睡眠
脳波は覚醒時に似ていますが、筋肉の活動は抑制され、夢を見ることが多く、感情の処理や創造的な問題解決が行われます。
このように深い睡眠時間が長いほど、発想力が上がります。
起きた直後にすごい発想が思いつくのは、睡眠中に発想した情報が脳に記憶されているからです。
発想力を上げるためにリラックスをしよう
いかがでしょうか。発想力とリラックスの関係が十分に理解できたでしょう。
これからは、新しい発想を思いつきたい時、考え込まずにリラックスしましょう。
リラックスをすると発想力が上がります。
私も休日に必ず、リラックスする時間を作っています。
それは、朝に散歩をする時間です。
散歩中は何も持たず、景色をみています。
すると、ブログのネタが次から次へと思いつくようになりました。
そのおかげで、今までブログのネタに困ったことがありません。
しかし、この方法には一つ欠点があります。
それは、散歩中に思いついた発想をメモることができないので、散歩が終わった後に忘れてしまうことです。
散歩から帰ってきらら、メモをとろうとしても「あれ?何だったけ?」となることがあります。
メモ帳やスマホを持っていけば良いのですが、散歩中にメモをするとリラックスした状態が半減してしまいます。
ここが悩みどころではありますが、多くの発想が思いつきますので十分に効果があります。
あなたも、自分に合ったリラックス方法を見つけて、発想力を上げていきましょう。