その過去は自分が作ったウソです
あなたはつらい過去を持っていますか?
一つや二つ持っているでしょう。
「親から感情的に怒られた」
「友達から裏切られた」
「好きな人に振られた」
「まわりから相手にされなかった」
などなど、思い当たることがいくつかあるでしょう。
それを思い出すと、こころが「キュッ」となって、苦しくなってしまいますよね。
でも、その思い出している記憶は本当に真実ですが?
実はほとんどの記憶が真実と、ことなるウソであることが分かっています。
人は自分の都合に合わせて記憶を変えて覚えます。
なぜ、ウソの記憶で覚えるのか
「いやいや、あの時の記憶は絶対に間違っていない!」ときっとあなたは自信をもって言い返してくるでしょう。
それでも断言します。
その記憶にはウソがあります。
「まだ言うか!」と思ってしまいますよね。
気を悪くしたのなら謝ります。
でも、これから先の話を聞いて少しづつ理解をしていただけばと思います。
ここまで、言い切る理由が一つあります。
それは人の記憶には必ず、その人自身の「感情」が記憶の中に埋め込まれているからです。
例えば、「親から怒られた」時の記憶は、怒られて「怖かった感情」が記憶に残ります。
親からしてみたら「心配で心配でたまらない」感情が記憶に残り、「怒っている感情」の記憶は残っていないかもしれません。
「周りから相手にされなかった」時もそうです。
周りの人は他に興味のあることに気が向いていて、あなたのことに気づかなかっただけなのかもしれません。
それでも、あなたは「相手にされずに悲しかった感情」が記憶に残ってしまいます。
気づきましたか?
あなたの記憶にある、「悲しかった」、「怖かった」、「不安だった」などの記憶は、あなただけの感情なのです。
その記憶は「事実」ではなく、「印象」です。
その印象を持っているのはあなただけです。
他の人は違った印象で記憶に残っています。
だから、あなたの記憶はウソなのです。
その時の感情を今でも引きずる必要なんて全くありません。
記憶に悩む必要なんてない
辛い過去に悩む必要なんてありません。
だって、その記憶はウソなんですから。
そんな記憶を思い出すだけ、あなたはこころのエネルギーを無駄にするだけです。
忘れろとは言いません。
ただその記憶をもとにした経験だけで、これからの自分の考えや感情を決めないでほしいのです。
例え、過去の辛い記憶と同じような状況になった時、その先が同じようになるとは限りません。
それなのに、過去の記憶のせいであなたを苦しめてしまうなんてあってはならないことです。
過去の記憶のせいで、「ここはこのようにしないといけない。」と思い込まないでください。
過去に起きたことはその時だけあなたに起こった出来事であって、必ずしも同じ結果になることなんてありえないのです。
子供のころ犬に追いかけられた怖い思い出があっても、大人になった今のあなたに同じことが起こるわけではありません。
「犬を見たら逃げなければならない」と思ってしまっているかもしれませんが、現在の状況ではそれ以外にいくらでも選択肢があることに気づいてください。
これまで経験したことで、自分にいつの間にか作ってしまったルールとは全然違う行動をする人に対して「怒り」や「不満」を感じてしまうのは、ルールと違うことができるその人がうらやましいだけなのです。
そんな人に出会ったら、「あっ、こんな人もいるんだ!面白い!」と思って自分のルールを当てはめないでください。
そして、「自分は自分の作ったルールを守らなければならない」と考える必要もありません。
あなたの過去の記憶を元にした、「こうしないといけない」、「こうあるべきだ」の考えを一度捨ててみましょう。
むしろ、その逆のことをしてみましょう。
そこで、気づくでしょう「一体あの過去は何だったのだろう。」、「別にルールを守らなくても全然大丈夫じゃん。」とね。
最後にもう一度伝えます。
あなたの過去の記憶はウソなんです。
その時のあなたの感情が作り上げた、ただの印象です。
そんなことに辛い思いを引きずる必要なんてありません。
ただし、自分をしあわせにする良い記憶は、そのまま覚えておきましょう!