話をしている時に「なんかちょっと違うな・・・。」と思っていても、相手が「あれ?なんかちょっと反応が悪いな。それ、みんなしてるよ!知らなかったの!?」なんて言われると、あなたはどう返していますか?
「えっ!そうなの!?知らなかった。」とか、ホントは違うと思っていたのに「だよね!やっぱりそうだと思った!」なんて、返していませんか。
ホントの気持ちとは逆なのに、なぜか相手の話を内容を信じてしまったり、話を合わせてしまったりしていませんか。
そして、少しモヤモヤした感じで会話が終わっていく経験をしたことがありませんか?
私はあります。
これには心理的な「はたらき」によって、あなたをそうさせています。
私はその心理的なはたらきを理解していても、やはりその効果に從ってしまうことがあります。
これは、あなただけではなく、みんなに同じことがいえることなのです。
「それっていったい何?、何なの?」と思ったあなた。
これから、その謎を紐解いていきましょう。
ついつい従ってしまうわけ
なぜ、このようなことが起こってしまうのか。
それは、相手の話の中に入っているフレーズにとても重要な部分があります。
どこだと思いますか?
「知らなかったの?」と聞かれると、ついつい知らないことが恥ずかしくなって「しっ知ってるよ!」と嘘ついてしまうからでしょうか。
いやいや違います。
では、「ちょっと反応が悪いな」と言われ、相手が不機嫌になっては困ると思いついつい相手に合わせてしまうから?
これも違います。
実は話をしている相手の表情や態度が真剣でついつい信じてしまうから?
それは、あるかもしれませんが今回の心理的な「はたらき」とは別の話です。
そうなると、もう「みんなしてるよ!」しか残っていません。
そうなんです。
この「みんなしてるよ!」に心理的なはたらきがあります。
特に「みんな」の部分に強烈な効果があります。
これを聞いたあなたは「え?なんで?」となっていませんか?
これから真実を話していきます。
「みんな」の強い効果とは!?
「みんな」が付くとなぜか、自分の意見もその方向に合わせようとしてしまうのか。
それは、「同調傾向」という心理的なはたらきがあるからです。
ことわざでも、「赤信号みんなでわたれば怖くない!」なんてのがありますよね。
これもまさに「みんな」つまり、大勢の人が同じことをしているから「自分もそれに従っていいんだ!」と勝手に同調傾向が働いてことを、説明したものです。
人は例え自分の考えが違っていても、多数の人の意見に従ってしまう生き物です。
これは、古代より生存率が高めるために群れを形成し一緒に行動していたことがら来ているのかもしれません。
昔でしたら、一人でいたら野生の肉食動物にあっという間に食べられてしまいますからね。
人は助け合って生きている生き物です。
自然のこの「同調傾向」が身についてしまっているのでしょう。
例えば、「これから、みんなでカラオケ行くけどいかない?」と言われると行きたくなくもなかなか断れなかったり、「今日はみんなでパスタ食べに行こう!」と言われる本当はラーメンの気分なのにしぶしぶパスタを食べに行ったりしてしまうことです。
こんな話があります。
UCLAのノア・J・ゴールドスタイン准教授が行った実験で、ホテルのタオルをもう一日再使用してもらうためにどうしたら良いのかという実験です。
最初は環境保護の人の善意に促すように「環境保護のために、タオルをもう一日再使用してください。」とお願いしました。
すると、35.1%のお客がタオルをく再使用してくれました。
もっと、再使用する方法はないかと考え次に同調傾向を利用した、「75%の方がタオルを再使用していただいています。」とお願いしました。
その結果、なんと44.1%のお客がタオルを再使用してくれたのです。
まさに「環境保護という人の善意をくすぐる効果よりも、同調傾向の効果が勝った瞬間です。」すこし寂しい気持ちになりますがこれが現実です。
同調傾向は万能なのか!?
このように、「みんな」や数字であれば「75%の人たち」などの表現をいれることで相手の意見とは異なる行動をさせることができるようになってしまいます。
特に、我々日本人は大人数の意見に流されやすい民族です。
意外と簡単に相手の意見を変えることができるでしょう。
ここで、注意が必要です。
同調傾向を利用しても、相手の気持ちまでは変えることができません。
だから、「みんなでカラオケに行くよ!」と行きたくない人を無理やり連れて行っても、その人はカラオケを楽しめないでいるでしょう。
相手の行動しか変えることができないことを覚えておくことが大事です。
なので、一番気を付けないといけない時は、「みんな」とウソをついて、相手の行動を変えてしまった時です。
相手は気持ちが良いわけではないので、この「みんな」がウソだとばれてしまうとかなり怒ってしまうでしょう。
そして、あなたは信頼を失ってしまいます。
ウソついている場合は決してバレてはいけません。
嫌だけどしなければならない時など、時と場合は十分に考えたうえでこの同調傾向を使っていきましょう。
それさえ心得ておけば、きっとあなたの味方をしてくれます。
言われた時でも、「おっ!同調傾向の注意報発令だ!」と自分に言い聞かせ冷静な判断ができるようにもなります。
覚えておいてください。
「みんな~」や「75%の人が~」です。