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なぜか聞こえるあの声
こんな事ありませんか?
人が大勢いる集会場で、いろんな声が聞こえてきます。
一体なにを話しているかなんて全然分かりません。
そんな時、急に「オリロジーさん」と自分の名前が呼ばれたことに気づくことありませんか。
そして、それは気のせいではなく、自分を呼んでるいる人が本当にいて出会えてしまうことがあります。
まるで映画のようです。
「そんな都合よく聞き分けることできないよ」
と思ってしまったあなた、実はホントに都合よく聞き分けられちゃうんです。
聞き分ける能力
それはカクテルパーティー効果
人は多くの言葉の中から、自分が意識していることや関係していることを聞き分ける能力が備わっています。
この能力は「カクテルパーティー効果」と心理学では呼んでいます。
これは、イギリスのマンチェスター大学の認知心理学者エドワード・コリン・チェリー氏が発見した効果です。
音は耳で聞きますが、聞こえた音を情報に変えるのは脳です。
特定の音や言葉に意識を集中することで、脳はその情報を選択的に取り入れようとします。
例えば、オーケストラの演奏を聞いている時に、ピアノの音が聞きたいと思うとピアノの音がしっかりと聞こえてきます。
自分の名前を呼ばれた時や推しの名前が呼ばれた時も、しっかりと聞こえる事ができます。
この効果が身についた理由とは
私の想像ですがこの能力は、はるか昔に人が生き残るために備わったものだと考えています。
森の中で木々が揺れる音、鳥のさえずりなど、いろんな音が聞こえてきます。
その中にトラの鳴き声が聞こえてきたら、「ドキッ」として気づきませんか。
その後はトラの鳴き声に集中し、どこから聞こえてくるのか、まだ遠くにいるのか、分かるようになります。
そして、トラに気づかれないように反対方向へ逃げることができます。
ここで、他の音とトラの鳴き声が聞き分けられなかった、逃げることなんてできません。
生きるために必要不可欠な能力なんだと思っています。
実は音だけではない
こんなところにも、カクテルパーティー効果
この効果は音を選択的に聞き分けるだけではありません。
実は見た文字や映像でも、自分の事だと思わせて注意を引き付ける事ができます。
これは、広告などで良く使われています。
例えば、いくつもの広告が並んでいる中で「そこの黒髪のあなた」と急に書かれていたら、「エッ、私のこと!?」って、つい思ってしまいます。
その文字に注意が向くと、書いてある文章をついつい読んでしまいます。
その広告には「このシャンプーを使えば、よりキレイなつやとまとまった髪が手に入ります。」と書かれていれば、ちょっとそのシャンプー気になりませんか?
マーケティングや集客に効果を発揮
このように、カクテルパーティ効果を使えば、ある特定の人に対して注意を引き付けることができます。
マーケティングや集客の時に「ペルソナを設定」、「特定の層に絞る」理由はこのためです。
文章を書く時や伝えたい時に「誰に向かって言っているのか決めたほうが良い」というのも、この効果を利用しています。
確かにすべての人に注意を引き付けたいのは分かりますが、それは難しい話です。
「せめてこの人だけには伝えたい」と考えた方が、特定の人になりますが注意を引き付けやすくなります。
あなたも、「カクテルパーティー効果」を使って、相手の注意を独り占めしてみませんか。