情報共有するとは
よく仕事で上司から、「この情報を部下に展開し、共有してください。」と言われます。
あなたはその時、どんな行動をしますか?
メールで一斉配信をしていませんか?
資料を作って配信またはみんなを集めて説明などしていませんか?
その方法は「間違っていません」。
「・・・・。あれ、タイトルからすると間違っていると言われると思った。」
と言われる声が聞こえてきます。
仕事の手順について情報共有する時も、手順書を作ったり、ガイドラインを作ったり、その作業場に直接、手順の表示をしたりする。
これも、「間違っていません」。
「じゃあ、いいじゃん!間違ってないじゃん」と思いますよね。
ここからが、本題です。
情報を伝える方法は間違っていませんが、このときのあなたの「意識」が重要です。
情報共有する時、「メンバー全員が同じ内容を知る」ことを意識していませんか?
ここに落とし穴があります。
メンバー全員が知るって、どういうこと
メールを配信、資料を作って説明、手順書作って教育、これらは共通の全く同じ情報をメンバー全員に伝えています。
ここまでは、問題ありません。
これからが問題です。
例えば、「手順書を使って教育をしました」とします。
教えられた相手は手順書の書いた文字を共有することはできます。
しかし、書いた文字が伝えたいイメージまで共有することはできません。
なぜなら、人は自分の都合のよい考え方に変える生き物だからです。
手順の中に「井戸の水を手ですくい、別の容器に入れる」と書いてあったとします。
これを読んで説明しても、聞いた相手はその水が「冷たい」のか「温かい」のか人によって感じ方が変わります。
他にも、文字の内容が理解できず、どのように行動したらいいかわからない人もいます。
この状態であるにもかかわらず、情報を発信した人は共有していると勘違いしていることが非常に多いのです。
大事なのは「情報を発信した後、誰がなにを知っているのか、みんなが知っている」ことです。
これができていないとうまくコミュニケーションが取れなくなります。
仕事をスムーズに進めることもできなくなります。
情報を伝えただけでは、「全員が理解することはできない」と考えなければいけません!
そのため、伝えた後のフォローがとても重要になってきます。
この部分が抜け落ちていることが多いです。
伝えた後に確認する
これは、仕事に限った話ではありません。
子育てでも同じです。
親は子供より、より多くのこと知っています。
多くのことを知っている自分が前提で子供に教えたり、お願いをしていませんか?
例えば、「5+3=8」と足し算を教える時、親は「5は何かが5個あり、もう一方で何かが3つあるから8」とイメージできています。
しかし、算数をはじめたばかりの子供は「5」の数字が全くイメージできません。
りんごが5つ並んだ絵を見せて「これが5だよ」といっても理解できていません。
自分では当たり前のイメージが子供には理解できません。
親は、りんごが5つ並んだ絵を見せれば「これが5である」ことが分かるという情報共有のもとで話すのでややこしくなります。
子供が「5」の数字の意味がわからないことに気づけば、親はまず「足し算」を教える前に数字の「5」について教えることができます。
ここが理解できれば、子供はやっと足し算を理解できるようになります。
大人になっても、同じことがおきます。
全員が同じことを知っているわけがありません。
それぞれ、経験していることが違うのですから。
同じ情報であっても、全員が同じ意図で理解はしていません。
だから、「情報を発信した後、誰がなにを知っているのか、みんなが知っている」ことを確認する。
これを実践することが、情報共有するために重要な方法です!